文進堂 畑製筆所

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30年ぶりの再会、復刻【前編】



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皆さまへ

いつもありがとうございます。


「私が中学生の頃から一番大切にしている筆です。」


ある作家様がそう仰る筆を託されました。

30年ともう少し前に畑義幸が制作していた筆でした。

二代に渡り、愛用して下さった筆。


昔の先生は、必ず筆を2本買って同時に筆を育てておられました。

そして良い筆は更に買って新品のまま置いておく。

こちらの作家様も例外なくそうされていました。

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左の筆は綺麗に手入れして育てて下さっていて今も現役。

毛先がよく育っています。


30年間真摯に書に向き合われ、
努力され、時には涙を流されることもきっとあったと思います。

この短くなった美しい毛を拝見しただけで、
その過ごされた歳月が分かります。

「我が子に対面したみたいじゃのう。嬉しいのぉ。」

畑義幸も思わず優しい声色になります。

そして、30年ぶりにこの筆を復刻します。

新品の筆があったからこそ、
当時の毛を使い
当時の自身を振り返り
積み上げてきた経験と技術で甦らせることができます。


続きはまた後日。

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