ある作家様から託された30年以上前の筆。
今回の筆はいつもに増してとても力が入りました。
原毛は当時から更に熟成されており、
畑義幸もあれから30年、手も感触も変わります。
晴れた日の午前中 原毛を選別し
約60日かけて一本目の試作筆が完成しました。
しかし、「納得いかん。」
「もう一回やり直すけん、時間をください。」
それから一から毛組を見直して制作し
やっと完成しました。
その筆を作家様に確認していただき
「柔らかく良い感じです。父も良い感じだと言っています。」
と、うれしいご感想を頂戴し、無事に復刻することができました。
この筆が、作家様とまた新しい時を刻んでくれることと思います。
次に復刻する時、畑義幸はもうこの世にいないかもしれません。
その時は、息子の幸壯が 筆から父の手と姿を感じ取り
復刻していくことでしょう。
いつも応援してくださりありがとうございます。