文進堂 畑製筆所

  • 川尻筆伝統工芸士
    三代目・畑 義幸
    昭和26年2月3日生

    私は、8歳の頃より、学校から帰ると筆づくりと田畑の手伝いを父・滿壽視(二代目)に命じられる日々でした。ですから筆づくりの工程と技術はおのずと身についていきました。中学を卒業してからは高校に通う傍ら、本格的に筆づくりの修行を行う。
    その甲斐あって、高校卒業時には当時の筆づくりにおける全工程の技術を習得することができたと自覚しています。

    筆職人として順調に仕事をしている日々の中、ある思いが募りました。

    「もっとええ筆をつくりたい」
    「もっと難しい毛に挑戦したい」
    「早く親父を超えたい」

  • そこで着目したのが、「羊毛筆」です。
    当時の「羊毛筆」は、職人の技術力が追い付いておらず、挑戦する者もごくわずかで、羊毛筆の質はイマイチでした。

    それからは日夜、研究の日々です。
    研究において、一番力になってくださったのはお客様の厳しいお声です。
    お客様の求める繊細で厳しい要求に応えるために創意工夫を重ねることによって、知識と情報が蓄積できました。

    毛が持つ特徴、長所、短所を一本一本正確に把握し、数百パターンの毛の組み合わせ方を確立することができました。
    そして現在の最高級羊毛筆と呼ばれる筆を作り上げることができました。

  • ええ筆をつくるためには、苦しいことや悔しいこともたくさんありました。そんな職人人生の中で、たくさんの賞をいただけたことはとても励みになりました。でも一番うれしいのは、使ってくださる方が喜んでくれること。これが最高の瞬間です。

受賞歴・経歴

  • 昭和50年1月7日
    (1975年)
    朝日新聞に「ひろしまに生きる親子三代筆作り」として掲載
  • 昭和53年10月22日
    (1978年)
    常陸宮・同妃両殿下御来県の砌、毛筆献上の栄誉を賜る
  • 昭和57年6月11日
    (1981年)
    全国書道用品生産連盟技能賞受賞(当時全国最年少受賞)
  • 昭和59年6月7日
    (1984年)
    2回目同上技能賞受賞
  • 昭和60年4月
    (1985年)
    川尻筆づくり資料館へ掲示される。毛筆製造工程のパネル製作のモデルとなる
  • 平成元年9月11日
    (1989年)
    第9回全国豊かな海づくり大会に、天皇・皇后両陛下行幸・啓の砌、筆づくり実演の際、皇后陛下に親しくご質問を頂き感激する
  • 平成4年4月26日
    (1992年)
    川尻筆の後継者として地場産業の発展に尽くした功績により、川尻町長より感謝状を戴く
  • 平成9年11月9日
    (1997年)
    テレビ放映「ズ―ムアップ呉」にて筆づくり実演
  • 平成9年8月7日号
    (1975年)
    週刊誌女性セブンへ紹介記事が掲載される
  • 平成10年8月6日
    (1975年)
    中国新聞、芸南群像「第3部創る」に掲載される(当時、日本一の値が付いた最高級羊毛筆紹介)
  • 平成12年1月18日
    (2000年)
    安芸灘大橋(かわじり、しもかまがり、かまがり)開通の際パネルにて宣伝される
  • 平成12年 4月13日
    (2000年)
    NHKテレビ名人対決番組に筆職人川尻代表として出演
  • 平成15年6月2日
    (2003年)
    NHKテレビにて高級羊毛筆紹介実演
  • 平成16年3月24日
    (2004年)
    東京経済産業省本庁で、川尻筆製作の実演を行い、高い技術力を評価される
  • 平成16年4月21日
    (2004年)
    呉市の郵政記念式典に招待され、一日郵便局長を務める
  • 平成16年8月31日
    (2004年)
    「川尻筆」が国の伝統的工芸品に指定される
  • 平成16年度
    (2004年)
    全国伝統的工芸品公募展入選
  • 平成17年4月5日
    (2005年)
    広島ホームテレビJステーション「技の人」に出演
  • 平成17年12月8日
    (2005年)
    川尻筆伝統工芸士認定(第一号)
  • 平成17年12月29日
    (2005年)
    中国新聞に上記の記事が掲載される
  • 平成17年度
    (2005年)
    全国伝統的工芸品公募展入選
  • 平成18年11月10日
    (2006年)
    呉市技能者表彰 受賞
  • 平成18年11月15日
    (2006年)
    伝統的工芸品産業功労賞(中国経済産業局長賞)受賞
  • 平成18年度
    (2006年)
    全国伝統的工芸品公募展入選
  • 18年度より、呉市小学校にて筆作り体験学習を毎年実施
  • 平成19年10月14日
    (2007年)
    日本テレビ「ザ・鉄腕DASH」に川尻筆作りで出演
  • 平成19年12月
    (2007年)
    グラフ呉 みて・くれ最終号「匠の技」に掲載される
  • 平成19年度
    (2007年)
    全国伝統的工芸品公募展入選
  • 平成21年11月11日
    (2009年)
    元サッカー日本代表 中田英寿氏に当所にて筆作り指導する
  • 平成22年4月7日
    (2010年)
    中田英寿氏のオフィシャルホームページnakata.netにてweb 公開される
  • 平成22年2月1日号
    (2010年)
    雑誌「AERA」にて上記模様が掲載される
  • 平成22年11月3日
    (2010年)
    日本伝統工芸士会より、長年にわたり会の運営に尽力し、発展に多大な貢献をしたとされ功績を称え『功労賞』を頂く
  • 平成23年3月10日
    (2011年)
    広島県庁による21ひろしま県内製品愛用運動推進協議会より「伝統の名筆川尻筆」として取材される(YouTubeにて動画公開)
  • 平成23年5月14日
    (2011年)
    日本テレビ関東圏にて「- Revalue NIPPON Project – 中田英寿 日本をつなぐ」で筆作りを紹介される。
  • 平成23年10月27日
    (2011年)
    伝統的工芸品産業功労賞(経済産業大臣賞)受賞
  • 平成27年11月
    (2015年)
    市政だよりの表紙へ起用される
  • 平成29年3月
    (2017年)
    上海モダンメディア社発行カルチャー月刊誌「生活LIFE MAGAZINE」へ掲載される
  • 平成29年3月13日
    (2017年)
    「呉の魅力・お宝90選」へ掲載される
  • 平成30年9月
    (2018年)
    広島県中小企業共済組合発行情報誌「あんしん」へ掲載される
  • 令和元年8月26日
    (2019年)
    伝統文化ポーラ賞選出に際し中国新聞へ掲載される
  • 令和元年10月29日
    (2019年)
    伝統文化ポーラ賞(地域賞)受賞
  • 令和元年11月3日
    (2019年)
    令和元年秋の叙勲(瑞宝単光章)受章
  • 令和元年11月3日
    (2019年)
    令和元年秋の叙勲(瑞宝単光章)受章に際し読売新聞へ掲載される
  • 令和元年12月12日
    (2019年)
    令和元年秋の叙勲(瑞宝単光章)伝達式及び天皇陛下に拝謁する
                            
  • 令和3年10月12日
    (2021年)
    ニューヨークメディア・ビジネスインサイダーに取材されて映像が公開される