文進堂 畑製筆所

お知らせ

四代目・幸壯が朝日新聞に取材・掲載されました。


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皆さまへ

いつもお世話になります。

この度、四代目、幸壯が朝日新聞の記事に
令和2年2月25日に掲載されましたのでご報告いたします。

(※下部に取材記事本文を書き起こしております。)

将来、三代目・義幸が扱ったことのない品質の毛で
筆を制作する日が楽しみです。

朝日新聞様、記者の八田様、ありがとうございました。

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※以下、記事書き起こし

今年で創業90年を迎えた「文進堂 畑製筆所」(広島県呉市川尻町原山一丁目)の4代目。国が指定した伝統的工芸品「川尻筆」を作る。昨年11月、初めてパリでワークショップを開き、美術ファンたちに川尻筆の魅力を伝えた。品質の良さを海外で認めてもらい、評価の逆輸入につながればと考えている。
ワークショップでは、書家が使う「羊毛筆」と言う高級筆の作り方を実演した。参加者は熱心に見ていたが、「やってみませんか」と促しても、誰も応じなかった。「貴重な材料だから」と遠慮したのだ。畑製筆所の羊毛筆は、中国・揚子江流域に生息する野生のヤギの毛を、皮のついた状態で40年以上も寝かせてから使う。熟成するほどに、しなやかさや柔らかさ、コシが出るからだ。大気汚染の影響か、今はもう同じ品質の毛は取れないという。
パリでは、姉の友里さん(35)が営業に回った。ピカソも顧客だったと言う老舗の画材店から発注があり、1月に約200本を納入。店頭やネット販売で扱ってくれた。
畑製筆所の羊毛筆は、約70の全工程を1人の筆師が行い、完成まで2ヶ月かかる。
瑞宝単光章を受賞した父で3代目の義幸さん(69)が確立した技法で、大学卒業後、一子相伝で教わった。幼い頃から言語に触れ、「どっちの毛が良い?」と父から目利きを鍛えられてもいた。
父からすべてを与えられた反面、父を越えられない腹立たしさも感じる。父が集めたヤギの毛は、木箱に入れて寝かせてある。年月がたつほど質が上がるが、柔らかさも増し、扱いが難しくなる。「将来、父が扱ったことのない品質の毛ができる。父を超える技術がないと筆にはできないはずです。」その時を目指し、日々研鑽を積んでいる。

幼い頃から筆師が夢だったが、大学時代、父・義幸さんが大怪我で筆作りができなくなったため、大学卒業後、食品会社に就職。その後、義幸さんが「奇跡的」に回復・復帰したため、会社を辞め、弟子入りする。