川尻筆伝統工芸士 三代目・畑 義幸
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兵隊さんと筆のおはなし

2017年02月03日

皆さまへ

 

いつもお世話になっております。

 

 

先日、呉市の大和ミュージアムに行って参りました。

 

大和ミュージアムをご存知ですか?

 

 

大和ミュージアムは、呉市海事歴史科学館で
日本一の海軍工廠として栄えた呉市の歴史と
科学技術の発展、そして平和の大切さを伝え知る場所です。

 

(左の建物がミュージアム本館、

正面のは潜水艦「あきしお」の実物!中も見れます。)

 

 

戦艦「大和」をご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

(戦艦「大和」は冒頭の写真をご覧ください。10分の1模型です。)

 

 

呉市の歴史と、切っても切り離せないのが、戦争の歴史です。

 

呉では多くの潜水艦や戦艦が建造され、

全国から招集された乗組員たちが次々に命を落としました。

 

 

乗組員たちは特攻に際し、遺書やお手紙を家族に残して出撃していきました。

 

 

その遺書やお手紙を拝見したのですが、

筆と墨できれいに書かれているものが多くありました。

 

 
自らの死が差し迫る中、乗組員たちは皆、家族への想いを綴っており
思わず感情が堰を切って溢れました。

 

 

 

先々代から伝え聞いたのですが、
戦時中、大きなリュックサックを背負った兵士が当社にも来られていたそうです。

こちらから画像をお借りしました)

 

 

その目的は

 

「筆を買うため」

 
でした。

 

 

筆が出来上がるまで、じっと座って待つ方もいれば、
「まだか、はやく」と急ぐ方もいらっしゃったそうです。

 

 
それぞれ、様々なことを思い巡らせながら待ってくださっていたのでしょう。

 

 
そして出来上がった筆を持って戦地へ行かれました。

 

 

その筆を使って、

 
遠い戦地から・・・  青い海や空から・・・

 
家族に思いを綴っておられたことと思います。

 

 

“生きた証を残す”

 

“離れた大切な方に思いを届ける”

 

あるいは

 

“無事を知らせる”

 

道具としてお役に立てたのであれば有難いことです。

 

 

今の日本は、先人たちの力、また犠牲があって成り立っていることを
忘れてはならないと改めて感じました。